私がこのブランドを知ったのはいつのことでしたでしょうか。
そう遠くない過去のことです。
この微妙な色の変化で表現された さくらのブローチ。
これを見たら 「もっと見たい」 と感じることでしょう。
この立体感。 本物のさくらに申し訳ないくらいの美しさです。
毎年、デザインを変えて発表されている ギメルでは春の定番のようです。
ギメル公式サイト
銀座和光で見たときには衝撃的と同時に 高級ジュエリーといえばヨーロッパかアメリカの
海外ブランドと思い込んでいたところに 日本にこんなに素晴らしいブランドが
あることを知り、とても嬉しく日本人として誇らしさを感じました。
1991年がブランドの創業という若いブランドだったことも驚きでした。
バーゼルで行われる時計宝飾展に2000年から出展していて日本国内よりも
海外での評価が先行していました。
販売店舗が少ないことと、全て自社の技術者で製作していることから
販売数も少なく、実際の商品もなかなか目にすることができませんでした。
使われている宝石の美しさ、細工の美しさ、繊細なデザインの美しさ
妥協のない製品作りが伝わってきます。
「美しさ」 文字にするとたやすいですが
数え切れないストーンの中から選別された石だけを使い
熟練の職人の技と惜しげもない時間を費やしてたどりつくのです。
四季折々の自然美を表現された ギメルの真骨頂ともいえる小さめの石を表面や線状に敷き詰める
メレーの作品は見る人の心を動かします。
それは徹底的に石選びをしているからに外なりません。
メレーでありながらそのひとつひとつの石に鑑別書が付けられるくらいの
グレードのものを使っているといううわさも納得です。
並べてセッティングされたときに全ての石が高品質なのでごくわずかな違和感もないのです。
またそのセッティングは光が取り込まれ石が最大限美しく見えるよう
強度を損なわずに最少の地金で石を邪魔しないまるで蜂の巣のようなハニカム構造のオープンセッティングで
気の遠くなるような手間をかけています。
裏返しても感動します。
それはギメルのこだわりの1つ。裏面も作品の一部であるかのごとく
蜂やてんとう虫などを配している作品もあります。
2016年には クォーツ時計の最高峰とも言われるSEIKOとのコラボレーションで
クレドールのブランドでリストウォッチを発表しました。
SEIKO のサイトより
https://www.credor.com/special/gimel/
中央のピンクのお品物は
ピンクダイヤモンド119個(2.45カラット)
ダイヤモンド31個(0.27カラット)
ダイヤモンド入り竜頭
ダイヤモンド入り18Kイエローゴールドワッペンつき裏ぶた
お値段40,000,000円 です。
日本でのトップジュエラーのひとつであることは間違いないはずです。
パリのヴァンドームに店舗を構えるクラスのジュエリーブランドは
所得の格差が広がってきてる現代の戦略として
ひとつのデザインで量産する比較的低い価格帯の商品と、富裕層に向けた高価格帯の商品の
2極化を進めているようです。
ジュエリーのもとになるジェムストーンは
地球の中で眠っていた時間のほうがはるかに長く
新たな命を与えられて市場に出てきます。
ササビーズから 100年後のアンティークジュエリー
と評価されているのもうなづけます。
ギメルに選ばれた石たちは 後世に残したいものとして
受け継がれていくことでしょう。