暑かった日も日毎に遠くなってきました。
夏の間お世話になったお洋服は来年のためにも
しっかり夏の汚れを落として衣替えをしたいところです。
昨今流行のファストファッションのみならず
おうちでクリーニングできることがセールスポイントになっているもの。
洗濯機で洗えるウールやシルク。
プレスしなくていいシャツ。お手軽です。
でもお値段の張るお洋服やスーツやコートなどはプロにお願いしなくてはいけません。
クリーニングを出すときに お店選びはどうしていますか。
気にならないものはお値段の安いチェーン店へ
大切なものはちょっとお値段は高いけれどこちらのお店へ。
と分けられているかたもいらっしゃると思います。
暑い日に着たジャケット。ワンピース。
汗を直接受け止めた襟周りや脇の下は ドライクリーニングだけでは
時間が経つと汗ジミ、黄ばみとなって浮き出てきます。
セブンヨークファミリアでは毎日たくさんのお洋服が入荷してきます。
シーズンを問わずにお買取りさせていただいておりますので
特に季節の変わり目の今の時期には今年着て来年はもう着ないと思った夏物。
今年もやっぱり着なかった夏物。出してみたけど着ないだろうと思った今年は冬物。
夏物、冬物とりまぜてまとめて送っていただいています。
お買取りさせていただいたそのお洋服のデータを作成するために1枚、1枚 採寸と併せて
汚れやつれなどのダメージ、見えないニオイも含めてチェックします。
汚れがある場合はクリーニングに出すようになりますが
汚れのある部分をマーキングしてデータシートに記載します。
わざわざチェックシートに記載するのは
戻ってきたときにその汚れが落ちているか速やかにチェックできるようにするためです。
短時間で汚れを見つけるのは見ているより単純な作業ではありません。
小さな汚れや、色むらに見えるような薄いものは光にあてたり、
表面に付着しているものなのか、繊維に織り込まれているものや
生地の特性で製造時からのものなのかを判断するためにルーペを使ったりすることもあります。
その後、ドライクリーニングだけで大丈夫なもの。ウエット処理が必要な汚れか。
ランドリー(水洗い)したほうが良いか。またそれらの処理が可能かどうか。
ウエット処理が出来ない場合はドライクリーニングと染抜きを組み合わせて行うかどうかを判断して
それぞれ得意分野のクリーニング屋さんと相談しながら依頼します。
素材の特性やクリーニング表示と(時間の経過や着用度合いによる)素材の現状、汚れの具合や原因
によって処理の判断は多岐に渡ります。
私たちは汚れを落とすことはできませんが「お客様に気持ちよいものをお届けする。」ことが
できるようどこまでの作業をやっていただくかを依頼するために素材やクリーニングの知識が必要に
なってきます。
大切なお洋服をケアしてもらうクリーニング店選びは重要です。
一見同じような仕上がりに見えても技術力や経営姿勢の違いが現れます。
ドライクリーニングの溶剤を濾過するフィルターの清掃や溶剤管理を怠っているお店は
汚れたままの溶剤でクリーニングしているかもしれません。
ランドリーでは素材によって汚れの落ちる水温を変えているか。プレスは裏地や細部まできちんと行われているか。
ボタンや装飾のスパンコールなどにも気配りされているか。
シミ抜きの知識は最新で豊富かどうか。
どんな業種でもいえる事かもしれませんが、お値段が高い=技術力が高い とは限りません。
手仕事で行っているから良くて、昨今流行の宅配クリーニングも、大量処理しているから不安。とも言い切れず
作業されている状況を見ることができない私たちは信頼と出来上がりを見て判断するしかありません。
受け取ったばかりの時には見えなかったことも衣替えのこの時期こそ
去年、もしくは春にクリーニングしたお品物の結果がわかるかと思います。