今年も夏がやってきます。
この季節になるとバスケットのバッグが気になります。この季節を待っていたかのように毎年買いたくなるかごバッグです。自分でも不思議に思うくらい執着してしまいます。
その理由がわかったような気がしました。フリマサイトで目にしたレトロなバスケット。あっこれだ!!と。幼稚園の頃に買ってもらったこのようなバスケットがとにかくとにかくお気に入りで、夏になるのが待ち遠しく思っていたものです。少し成長して使わなくなっても大切なものを入れとして使っていたように記憶しています。
ハンドルがちょっと違うような気がしますが、金属でできた金具、名札を入れる部分も、そうそうこんな感じでした。
今年もやっぱり気になる かごバッグ ですが一方で、他の夏らしい素材はないか?も併せてリサーチしてみました。おつきあいいただけると幸いです。
CHRISTIAN DIOR
2022年に衝撃的だったウィッカーの 「ディオール オブリーク」ですが
今年はハンドルもウィッカーになり逆台形の「パニエシャポー」はカジュアルなスタイルになっています。
パニエ シャポーバッグ (ウィッカー ・ ジャカード)
機能性と洗練を兼ね備えた、エレガントなシルエットが際立つパニエ (バスケット) シャポー (帽子) を意味する新しいトートバッグ。職人技を用いてナチュラルカラーのウィッカーを手編みした、メゾンのサヴォワールフェールを体現するバッグです。ウィッカーのトップハンドルと、ブルーの「ディオール オブリーク」ジャカードを使用したドローストリング仕様のインナーポーチを備えています。フロントにはChristian Dior Parisシグネチャーをあしらいました。長さの調節が可能な刺繍入りショルダーストラップは取り外せるため、ハンドバッグとしてはもちろん、ショルダーバッグやクロスボディバッグとしてもお使いいただける、収納力に優れたバッグです。
https://www.dior.com/
商品番号: M1328CMVO_M808
価格720,000円(税込み)
今年も引き続きディオールが私の推しです!
どうしてこんなことを思いつくの!?と泣きそうになるくらい感激した このラフィアのクロッシェトートも今年はシャポータイプが登場しています。
パニエシャポー ラフィアバッグ (ラフィア)
探してみたのです。ノンブランドのラフィアのバッグを。
たくさん見ましたが柄編みするものはあっても、フラワーモチーフをパッチワークにしてしまうような作りは見当たらない。たかがラフィア(失礼ながら)をここまでできるのはいい意味でラグジュアリーブランドのなせる業なのかもしれない。と思いました。
商品番号: M1328CCOZ_M125 出典:ディオール公式オンラインブティック
定価:¥880,000 (税込み)
相当な手間がかかっていることは、かぎ編みを少し知っているひとならら想像ができるのではないかと思いますが、お値段もびっくりです。
ディオール トゥジュール (キャンバス)
比較的新しいラインのトゥジュールはサイドを広げて舟形に、サイドを内側に寄せて留める2通りの形を楽しめるデザインです。セリーヌのファントムやロエベのハンモック、ルイヴィトンのネヴァーフルも同じ系統です。
画像のトゥジュールはキャンバス素材に古きパリの街並みをプリントしたもの。王道的なラムレザーにマイクロカナージュをステッチしたものも魅力的ですが、夏にはこんなライトなものが似合いそうです。
LOEWE
近年のかごバックの火付け役ロエベですが、今年も多彩なタイプを取り揃えています。ほんとたくさんありすぎて厳選を絞れません。
フォント トート ミニ (ラフィア)
先ず押さえておくところはフォントトートの新色。サイズもミニのほかスモール・ミディアム・ラージとあります。体格のバランス、用途で選択されると思いますが個人的にはフォントトートはミニもしくはミディアムが好みです。
パズルフォルド トート XXL(ラフィア)
品番:B779PFMX15
定価:¥465,300
いちばんのおすすめは このパズルのラフィア。今年は横長で大きいものがいいなと思っていたところにきっちりはまった感じです。色目も渋くてまたよしです。
パズルフォルド トート (ラフィア)
フォールド ショッパー(ペーパーカーフ)
THE ROW
今、旬と言えるブランドのひとつザ・ロウ。
ミニマルなシンプルさで大切なものだけに特化して、ロゴもない(ほとんど見えない)最上級の厳選された素材が人気の理由ですが、天然植物素材でバックなんて作っているのかしらと思いながらチェックして参りました。ありました!ありました!ラフィアを使ったバッグ3種をご紹介します。
Estelle ラフィアバッグ (ラフィア)
Emilie ラフィアバッグ (ラフィア)
個人的には、こちらも今年の理想に近いかんじです。大きめが欲しかったのでもう少し大きいほうがいいかなと思うところですが、このデザインではこのバランスがいいのかもしれません。デザイナーのかたが作られたものは何度も試作されて商品化しているので使い手が自分の都合でここを大きく、ここを短く・・・とカスタマイズしても全体の美しさがなくなってくるものです。
Oregon ラフィアバッグ (ラフィア)
商品番号:W1636W756NATAS (出典:THE ROW)
定価:¥159,000
先ずお値段。どれも10万円台とこのブランドとしては手に取りやすい価格です。ラフィアは暑くて植物の成長がとても早い地域で安価で採れるもの。と思っていたのに、いつしかラグジュアリーブランドのびっくりする価格に洗脳されて、ザロウのラフィアバッグは価格が安い!と思ってしまいましたが、本来はこれでも驚かなくてはいけないはずと目が覚めた気分です。
ザロウからラフィア以外の夏向きのバッグを1点ご紹介します
Mara レザートートバッグ (ナッパレザー)
メタリックナッパレザーの手編みのバッグ
ハンドルはチューブと書いてありますが、簡易に結んであるだけのように見えます。
続いてご紹介は
CELINE
クララ CELINE クラシック パニエ (ラフィア・カーフ)
スモール ボストン キュイル トリオンフ(ウィッカー・カーフ)
カジュアル感の強いラフィアに比べて、クラシカルなボストン型でウイッカー素材ならシティユースも心配がありません。やや大きすぎるレザーのトリオンフはお約束です。
商品番号:116562FTZ.02NT (出典:セリーヌ)
定価:¥ 671,000
スモール カバ タイス / トリオンフ (テキスタイル)
スモール カバ タイス (テキスタイル・レザー)
テキスタイル素材は違和感なく通年通して使えます
商品番号:199162FO2.14ML(出典:セリーヌ)
定価:¥ 247,500
SAINT LAURENT
パニエミディアム (ラフィア)
こちらは上部の横50cm 大きいバッグを探している私には理想的な大きさかもしれません
透かし編みもいい雰囲気です。大きいバッグは必然的にカジュアルな印象になりますが、ハンドルをレザーにすることによって少し軽減されます。
リヴ ゴーシュ トートバッグ(ラフィア)
RogerVivier
シューズに注目されがちなロジェヴィヴィエですが、バックもチェックして欲しい
トレ ヴィヴィエ ラフィア バケット バッグ (ラフィア)
ウィッカー ジュエル フラワー ストラス バックル (ウィッカー)
PATOU
1914年に誕生した老舗ブランドですが、2019年からリブランドして生まれ変わって勢いのあるパトゥ。大人のクールでキュートなスタイルを提案しています。
ラフィア GG バケットバッグ (ラフィア)
大きめのラフィアを編んだバスケットスタイルに大きめのリボンはパトゥらしさを感じます
商品番号: AC0610140102V
定価:¥121,000
ラフィア スモールJP トートバッグ (ラフィア)
商品番号:AC0440140102V
定価:¥107,800
ウィッカー バスケットバッグ (ウィッカー)
こちらは蓋つきのバケツスタイルウィッカー素材
商品番号:AC0030043102V
定価:¥107,800
かごバッグの素材について
ロエベのバスケットが大ヒットするまではコーチやアニヤハインドマーチなどややカジュアルブランドで夏になると作られていましたが、ハイブランドでかごバックを作るのはめずらしく、1年にひと型出るかどうかくらいだったと思います。素材もラタン、エルメスのバスケットケリーが柳素材でめずらしいと思った記憶です。近年は柔らかく細工のしやすいラフィアが使われることが多くなってきました。
ラフィアとは
ラフィアはヤシ科ラフィア属植物になります。ざっくり言ってしまうとヤシのになりますが、植物としての姿は見た目にすごく違うわけではありませんが素材としては違ってきます。
見ていただくと明らかに繊細さが違ってきます。
どちらも大きく成長するヤシですが、ぼうしやバッグの素材として使われるラフィアは6種類ほど。南アフリカマダガスカル島で栽培、加工されるものが良質とされています。
15メートルから20メートルまで成長するラフィアですが、若い葉のみを採取し、手作業で葉の裏側と表側を分け柔らかい部分を取り除くと半透明の繊維組織が残ります。それを天日乾燥させ、細く割い均一な繊維の束にしていきます。
ほかのヤシやストロー(麦わら)に比べ天然油脂を含んでいるため、乾燥に強く適度なしなやかさがあるため、時間の経過で繊維が割れるなどの劣化が少なくなります。
亜熱帯地域でぐんぐん成長する素材です。現地品は最高の品質でも数千円ですが高い、クオリティの製品を作るには制作の管理、指導に大変な労力がかかるようです。どこまでを現地で製作するかによって品質と価格に大きく反映されてきます。
現地マダガスカルで買い付けを行っているかたの話によると、複数のパターンがありハイブランドの製品クオリティに仕上げるのは現地での完結はとても難しいようです。
(比較的安価にできる)
・メーカーと現地との間に入るコーディネーターにデザイン、指示を出し現地にて全て製作→検品・納品してもらう
(やや高価になる)
・ラフィア素材の部分だけは現地で、レザーのハンドルや金具の部分など最終仕上げはイタリア、スペインで行い製品化するもの
(高価になる)
・ラフィア糸のみを輸入して編みから全てヨーロッパで製作行うもの
なるほど、お値段の関係も見えてきた気がいたします。製品を見つつ比較的お手頃なお値段のTHEROWのものは現地で作られているのだなと思われます。ラフィアの高品質な糸を輸入して編みの工程からイタリアで行っていると思われるディオールの製品はやはり他では見ることのできないクオリティで、現地のマーケットバッグのイメージとは別物になっているわけです。
参考サイト 帽子やバッグのラフィア製品ができるまで