- エルメスの王道 カレ90
- カレ90 もプレミア価格になっています
- コレクションする魅力
- 人気の傾向 【動物】
- 人気の傾向 【都市・名所地】
- 人気の傾向 【エルメスモチーフ】
- 人気の傾向 【コラボもの】
- 人気の傾向 【馬モチーフ】
- 人気の傾向 【和モチーフ】
- 人気の傾向 【かわいいもの】
エルメスを代表するアイテム カレ90
現在エルメスのスカーフが面白いことになっています。
よろしければこちらも
コラム 今さらですが エルメスのスカーフの素材 シルクツイルって?
エルメスのブランドとしての人気は過去20年あまり停滞することなく上がり続けていますがここ数年はバッグだけでなく、とにかくどのアイテムでも人気です。エルメスがなぜ今人気か?という考察はまた別の機会にして、今日はエルメスのカレ90だけをターゲットに考えてみます。
中古市場でのエルメスはクイーン的存在ですが、エルメスを代表するアイテムとしてバッグをあげるかたが多いと思いますが、販売された数でいったら間違いなく「スカーフ」です。ファーストエルメスが「スカーフ」のかたも少なくないと思います。スカーフといえば「エルメス」を連想するくらいに世界的な共通認識にすらなっています。
「ブリジットガラ」は同一柄での販売枚数ギネス記録を持つといわれますので、スカーフの販売総数も世界一になるのではないでしょうか。
エルメスのシルクアイテムも小さいものから長いもの、大きいもの。ひし形のもの。薄手のモスリンやダブルフェイス たくさんの種類があります。時に流行がありますが、カレ90 正方形の大判スカーフはどんな時にも作り続けられてきた揺るぎない王道です。
いま カレ90も人気です
バッグのバーキンやピコタンが定価以上のお値段でお取引きされていることはエルメスを知っているひとならもはや知らない人がいないくらいのことですが、カレ90 シルクスカーフも人気の絵柄では定価以上のお買取り価格になっているものが近年たくさん出ています。
これまでにもスカーフで定価以上のお値段が付くいわゆるプレミア価格のもの。確かにありましたがそれはごくごく稀なことでした。
デザインによってお取引き価格に大きな差が出ています
スカーフ全体の相場が上がっているかといえばそれは大きなものではありません。確かに2008年前後の一時期に比べたらエルメスのスカーフ全体の相場は上昇していますが驚くほど高いお値段が付くものと、軟調な価格のものとの格差が現在は大きい状況です。
コレクションしたくなる魅力。 コレクターの存在
この状況を作っているのがヴィンテージブームとコレクターの存在です。
カレ90の場合は古いもの、ヴィンテージ感のあるものの値段が上がっているかといえばその限りではありません。
時間が経過していることへの価値、80年代らしい絵柄に人気が集中しているわけではないからです。
エルメスのスカーフの美しさや70年以上続く連続性はコレクションすることの魅力を備えています。
もちろんこれまでにもコレクターのかたはいらっしゃいました。
需要と供給のアンバランスから相場は高騰、下落します。
今の二次流通価格相場を見ていますとコレクターのかたの人数が相当に増加していることがわかります。
またコレクターのかたは使用することを目的としないのでできるだけ購入時のままの「完全未使用」の状態を好まれるかたが多いのです。
新品の価格と中古品の価格の乖離が大きいこともコレクターのかたの存在を示しています。
そもそも世界中にコレクターがいることに加えアジア圏のコレクターが新規参入してきたこと。
インターネットの利用でこれまでに発売してきたアーカイブ情報を共有できるようになってきたこと。
グローバルに売買することが容易になったこと。が考えられます。
どのような絵柄が人気となっているかをご紹介しながら人気の高くなる要因を検証していけたらと思っております。
プレミア価格になる要素をみつけられましたら、新たにこれから発売されるものの中から「これは将来きっと値上がりする!」という投資案件を見つけることができるかもしれません。(笑)
(コラム)2023春夏のコレクション 人気の傾向から完売予想してみましょう
人気の柄かも!? 忘れていたスカーフ 探してみては?
また、もしコレクターでなければ使っていないエルメスのスカーフを見返す時かもしれません。
国内の不動産バブルの時期(1988年~1990年ごろ)に海外旅行のお土産でいただいた。
円高の時に海外にお買い物に出かけていた(1994年~1996年ごろ)
そのようなご記憶があるかたは思い出してみてください。
クローゼットにエルメスのスカーフはありませんか?人気の高い絵柄のものが使われずに眠っているかもしれません。
エルメスのスカーフは同じ柄をリバイバルで発売を繰り返すものも多くあります。
もとの絵柄に少しデザインを加えたり、色調を変えたり、新たなプリントを重ねるなどのアレンジを加える場合もありますが、
ほぼ同じ絵柄で発売する場合もあります。
買えなかったかたには嬉しいことですが、全体の流通数が多くなるために二次流通の相場価格は当然落ち着いてきます。
人気の絵柄でも流通する量が多くなるとお値段は上がりませんので、初版リリース時の数量も関係してきます。
さまざまな要素が重なった相場の値動きも興味深いところです。
.
.
.
人気の傾向 1.【動物が描かれているもの】
世界中にはさまざまな動物が、生物が生息しています。図鑑のように写実的に絵画のように美しくエルメスは作品にします。ブランドの始まりが乗馬という人間と馬の絆をはぐぐむこと。その馬から自然界で暮らす動物に派生しているからかもしれません。
エルメスの高い芸術性で描かれる動物がモチーフになっているものは人気の傾向にあります。
.
.
SiCHUAN 四川省
人気度 ★★★★★
自然の中にありのままの姿で生きる動物を雄大に表現。
アーティストはRobert Dallet(ロバートダレット)
西はチベット自治区と接し7000メートル級の山岳地域も有する中国四川省
タイトル:SiCHUAN
希少な動物ジャイアントパンダは四川省を象徴します。
ブランドロゴとジャイアントパンダ
.
そのほかにヤギに似たウシ科のバーラル、絶滅危惧種のユキヒョウ、美しい尾の鳥はキジシャコでしょうか。顔の白いサルはキンシコウ。こちらも絶滅危惧種になっています。
絶滅危惧種のユキヒョウ
美しい高山の大自然に暮らす希少な動物たちをみごとに描いた作品です。
こちらの四川省は1995年に初版、その後何度かリバイバルしています。
人気の傾向 <動物が描かれているもの> <国や地域、名勝地> という人気要素が重なって発売数は少なくないものの人気のある絵柄です。
カラーによってイメージが変わります
.
.
CAVE FELEM 猫に注意
人気度 ★★★★★
1998年発売。人気の動物柄のなかでもみんな大好き猫がモチーフです
Warnings used to be the speciality of trains, which once were full of those quadrilingual notices forbidding people to lean out of the windows. They were there too in Pompeii, whose”Cave canem” would nowadays be “Beware of the pitbull!” Here we merely choose to remind mice and little insects to be particularly careful when it comes to cats -feline and with no real malice, they nevertheless play dangerously.
ポンペイ遺跡で発掘された”犬に注意”というモザイク画をパロディにした絵柄です。
犬を飼っていたおうちの前にはこのようなサインがあったそうです。
現代にも”猛犬注意”というサインがあるように。
ネズミや小動物には”猫に注意”というサインをつくってあげましょう。
ポンペイ遺跡がルーツで猫がモザイク画で描かれていることも絵柄として素敵です。<動物が描かれている><国や都市・観光名所>という人気の傾向要素が重なっています。
.
.
.
.
人気の傾向 2.【国や地域・名所・景勝地】
ある都市や観光名所などをモチーフにしてデザインされたものがあります。その地域に居住されているかたや、ご縁があったかたは思い出として所有したくなりますし、テーマがはっきりしているためコレクションとして人気になります。
mont saint michel モンサンミシェル
人気度 ★★★★★
世界遺産。屈指の観光名所フランスのモンサンミシェル修道院の観光リーフレットをコミカルなタッチで描いたもの
こちらの初版は古く1947年 色付けがややベタなタッチになって1989年にリバイバルされたお品物です。
左:1970年代のもの(初版ではない)
右:1989年のもの
原画は同じように見えますが彩色のタッチが変わっています。
どちらも人気は高いものですが1947年は現存するお品がごくわずかでアンティークの価値になっています。
.
.
.
.
ZABAVUSHKA ザバヴシカ
人気度 ★★★★★
モスクワに Zabavushka Museum of Traditional Toys というおもちゃの博物館があり、そこを訪れた作者がワクワクした気持ちを描いた作品のようです。
アーティスト名 EVGENIA MIROSHNICHENKO
発売年 2009年
2009年にリリースしたザバヴシカ。ロシア語で「遊び」という意味らしい。
絵柄のアーティスト ”エフゲニア・ミロシニチェンコ”
おもちゃのお城、木馬、兵隊の人形、積み木、マトリョーシカがあふれた楽しい絵柄はモスクワの博物館で見たものから発想した絵柄。
<国や都市名が付いたもの>やそれを連想させる柄は人気が高くなりますが、加えて<かわいいモチーフ>が盛りだくさんですから人気にならないはずがありません。
タイトル:Zabavushka
.
.
.
.
人気の傾向 3.【エルメスをデザインしたもの】
これは以前にはなかった新しい傾向です。エルメスというブランドをイメージしたもの。
そもそもこの種の柄はなかったのではないかと思いますが近年増えてきています。人気の理由はエルメスの製品が好き。よりも兎にも角にもHERMES LOVEというかたが増えていることにほかならないと思います。
NOEL AU 24 FAUBOURG フォーブル24番地のクリスマス
人気度 ★★★★★
パリ フォーブルサントノーレ通リにあるメゾンエルメスの外観をスノードームの中に描いたもの。エルメスフアンにとってこの場所は聖地であり、屋上のHERMESのロゴ、馬に乗って旗を持つ騎士の姿が見えるとワクワク感が止まらなくなってくるものです。その風景を人気の傾向<エルメスにちなんだもの><かわいいモチーフ>のダブル要素で描かれています。
エルメス好きなかたにはワクワクする建物
タイトル:NOEL AU 24 FAUBOURG
.
.
.
.
人気の傾向 4.【コラボレーションもの】
ハイブランドでも他のブランドとコラボレーションして商品をリリースする場合がありますが、エルメスは消極的な印象です。それでもスカーフではいくつかの実績があります。販売数量も限定されていますので、貴重なお品になっている場合が多いです。
Comme des Carrés「Horse Blanket」 コムデカレ(コムデギャルソン)「馬着」
人気度 ★★★★★
こちらは2013年に発表された コムデギャルソン Comme des Garçons コラボのお品物です。エルメスの人気柄を再解釈を加えたもの。モノトーンとカラーで全11種類あったようです。上記はその中の1つ「Horse Blanket」名作柄にレターデザインを加えています。
オリジナル「Horse Blanket」
.
.
.
人気の傾向 5.【馬をモチーフにしたもの】
エルメスは馬具屋さんとしてスタートしていますので エルメス=馬 というイメージはどなたもお持ちかと思います。エルメスらしさ=馬で、馬をモチーフにしたものはアクセサリーや小物・・・あらゆるもの人気があります。スカーフに関して以前と少し違っていていることは馬が描かれていればどれでも人気になるとは限らなくなっています。美しさやテーマなどの要素が必要になってきています。
Robe Legere ローブレジェール
人気度 ★★★★☆
こちらは2022年のデザインですが馬を草花で描いた美しいデザインですぐに完売になりました。馬と美しい描写がポイントです。
人気の傾向 6.【日本がテーマ・和柄】
これはある意味で<国や都市・観光名所>という人気の傾向2になりますが、日本国内のマーケットでは<和柄>としてまたひとつのカテゴリになっています。
EX LIBRIS EN KIMONOS キモノ エクスリブリス
人気度 ★★★★☆
2011年に発売されたスカーフです。
麻の葉や波、竹や梅、市松など古典的なキモノの柄を集めてデザインされたもの。こちらは<国や都市・観光名所>と更にエルメスのロゴが使われていますので<エルメスをデザインしたもの>の2つの要素が入っています。
絵柄のどこかに入っているタイトルですが
「EX LIBRIS EN KIMONOS」 このようになっているものが通常のタイプです。
「HERMES POUR LES 400 ANS DE MATSUZAKAYA」となっているものは日本最古の百貨店である松坂屋の400周年を記念して販売されたものになります。
人気の傾向 7.【かわいいもの・美しいもの】
エルメスのスカーフ柄全てが美しい。と言ってしまうこともできるのですが、かわいいや美しいには個人の感性により違いがあり広義なものからディープなものまでひとくくりにするのは難しいところですが人気の要素としてカテゴリしています。
FAIRYTALES HERMES おとぎ話
人気度 ★★★★★
.
.