今年のコートを探しています。
去年は厳しい寒さと大量の降雪にとうとうダウンのロングコートを冬になってから買いました。
完全に実用本位で必要に迫られて買ったのですが、今年の冬は暖冬というウワサも聞こえてきます。
今年はクラシカルで上質な大人のコートもいいかしら。
と思っておりますが、そこで思い浮かぶのはやはり「バーバリー」です。
三陽商会との提携を解消した本家イギリスのバーバリーは私の中で「冷酷な裏切り者」という勝手にヒールな役どころでしたがランウェイのスチールを見ると「日本産のバーバリーとはやはり違う。大英帝国の歴史の重さ」を感じるのです。汎用製品化されたのものはアジア人に寄せたものもありますが、ランウエイではヨーロピアンテイストになっていて素敵な感じです。
ビヨンセの衣装提供までしていて さすがはご本家。と思いつつもここまで攻める!?と驚いてしまいました。
そんな矢先バーバリーが余剰在庫を焼却処分した ことを批判するニュースが入ってきました。
既にご承知置きかと思いますが、2017年バーバリーがブランド価値保護のために衣料品やアクセサリー、香水など2860万ポンド(約41億8000万円)相当の売れ残り商品を処分していたことが分かり、さらに過去5年に処分された製品は9000万ポンドになるという。
焼却など処分には環境汚染がないように配慮したということでしたが、問題はソコではなく資源のムダ使い。もっと厄介なことに廃棄処分された品物にはファーやレザー製品も含まれていたので動物愛護団体からも非難を浴びることになったとのこと。
加えてそれでも利益が出ているというのは、そもそもの価格設定が高すぎるのではないか?とまで言われる始末。それは余計なお世話で。笑
ブランド価値を守る自己保身行為はかえって多方面からの非難になってしまいました。バーバリーでは今後はこのような処分をしない。そしてファーも使わない方向へ転換していくと宣言したそう。
それは良いこと。
と思いながらも、どうしても出る余剰在庫はこれからはどうするのかと心配になりましたが、それは困窮するかたたちへ「寄付」すると書いてありました・・・ええっ?高級ブランドの過剰在庫が教会のバザーや難民支援、発展途上国へとなるのでしょうか。
店舗でのセール、アウトレット、ファクトリーセール、ファミリーセールを経てもなお売れ残ったものはブランド名がわからないようにブランドタグを切って箱単位で流通され、胸や裾にブランドのロゴや刺繍が入っていてブランドタグを切ってもブランド名がわかってしまうような品は「寄付」するらしい。
販売機会を失うリスクと余剰コスト
正規の価格からアウトレット、ファミリーセールなどで値下げをするとブランドの価値はどうしても下がってしまう。
正規の商品価値を維持するための廃棄処分は必要悪などと言っている時代ではないらしい。
マッキントッシュ
同じくイギリスの老舗ブランド「マッキントッシュ」
マッキントッシュとは もともとゴム引きキャンバスの素材の名前で、1800年代にマッキントッシュ創始者によって開発された。
その素材は防水性に優れ画期的な機能を備えているので軍用コートなど広くヨーロッパ中で使用されていました。それから今日までも普遍でコートを作っています。
エルメスも30年前くらいは マッキントッシュの素材でコートを作っておりました。私も30年近く前に愛用していたことがありますが、張りがあって型崩れしない軽くて風、雨に強いコートでした。素材が合せ擦れる時はガサガサ、ゴワゴワと音がするくらい硬い素材感がなんとも言い難いものでした。
現在のマッキントッシュはゴム引きのコートだけでなくウールやカシミアのコート、アイテムの数は多くありませんが媚びないニットやシャツも展開しております。
不朽の名作であるゴム引きののコートをまた着てみたくなりました。
日本国内では八木通商が正規代理店となっていて全国のセレクトショップで販売、東京・青山/銀座に直営店舗もあります。
ライセンスのマッキントッシュ
そのマッキントッシュのテイストを受け継いだライセンスブランドがあります。
「マッキントッシュ ロンドン」とそのセカンドライン「マッキントッシュフィロソフィ」
あの(失礼ですね)三陽商会がライセンスを受けて製造、全国の百貨店で展開しています。
また!! (これまた失礼ですね) ライセンスですか!!
本家の「マッキントュシュ」は完全にコートを主軸として、他のアイテムはあくまでも添え物のような頑固で職人気質を感じさせますが
ライセンスの「マッキントッシュロンドン」はコートを中心としてトータルに提案できるようさまざまなアイテムを展開しています。日本人の好みや体型を知り尽くし、コート作りに定評のある三陽商会ですから、作りにおいては安心以外の何ものもありません。本家のデザインやテイスト。いいところを備えて、本家「マッキントッシュ」より幾分お求め安い価格設定になっております。ブラウスやニットなどのウエアもトラディショナルと現代が程よくブレンドされた選びやすい感覚になっています。
MACKINTOSH LONDON (三陽商会) WEBサイトへ
セカンドラインの「フィロソフィ」に至ってはマイルドな優しいイメージです。チェック柄も加わっていますが、頑固な伝統というハードな部分はおおかた希釈されています。
MACKINTOSH PHILOSOPHY(三陽商会) WEBサイトへ
三陽商会のバーバリーロンドン、バーバリーブルーレーベルのなきあとの全国百貨店で展開されていますので、一般層に認知され「マッキントッシュ」の知名度は高くなったこととは思いますが、バーバリーの時と同様に本家のブランドイメージが保持されているかはいささか不安が残ります。
老婆心ではありますが今後のライセンス契約更新の行方を見守りたいと思います。