今年も夏がやってきます。
春も終盤になり 気温が上昇する日が多くなると だんだんとレザー素材のバックが重たく感じられます。
重量感ではなく お洋服に合せた軽快なナイロンやキャンバス素材、ストローや籐、天然素材のかごバッグを持ちたくなります。
最近ではかごバックも夏に限らず、ファーを組み合わせて秋から冬も一年中楽しめるようになっています。
天然素材には気軽なパルプ(材木の端材)やストロー(麦わら)、ラフィア(椰子科の植物でで葉を使う)、ラタン(椰子科の植物で枝を使う。日本では籐と呼ばれています)、アタ(シダ科の植物)のほか竹、やなぎ、さくらやくるみの木、つるを使うあけびや山葡萄などがあります。
しなやかさが魅力ながら耐久性に乏しいものや、一生ものとして50年以上使っていける丈夫なものまで、その素材ならではの特徴や個性があります。
山ぶどうは国内各地で自生しています。実は生食もでき、ジャムやワイン、ジュースに余すことなく使える植物です。
ラタンはトゲトゲに覆われています。
成長が早いのに丈夫で曲げることが容易で軽くていいことづくし。
採取されたそれぞれの植物は 水に浸したり、乾燥させたり、燻製にしたり、割いたり、ひごにしたり・・・
加工しやすい材料となっていきます。
材料の太さや編み方も多様にあり、同じ素材を使っていても違った表情を作り出してくれます。
使っていく時間の経過にともなって色の変化を楽しむことができ、天然素材の手作業で作られているゆえの個性も魅力のひとつかもしれません。
お好みの素材は?
同じ天然素材といえど、お値段は数千円の安いものから非常に高価なものまでさまざまです。
東南アジア周辺が原産国のストロー、ラフィア、ラタン、アタは製品の製作までも現地で行うことが多く、人件費が安いこともあり総じてリーズナブルなお値段ですが日本の材料で国内の職人が手作業で作られる純国産「山葡萄」のかごバッグは100,000円を超えるものもめずらしくなく、まるでちょっとしたブランド品のようなお値段です。
どちらも5,000円~6,000円でお求めいただけます。
かごバックのクィーン
かごバックで最高位とされてるのは 「ナンタケットバスケット」
ご存知のかたも多いと思いますが、このところとても人気です。
最高位って誰が決めたの?という疑問がわいてきますが、その芸術品のような美しいスタイルからオードリーヘップバーンをはじめとしてたくさんのセレブに愛され、逸品を知る人々に認められた経緯からそのような称号が与えられているようです。
「ナンタケット」 とは素材の名前ではなくこのバッグが作られた島の名前です。
ナンタケット島はアメリカのお金持ちたちが夏になるとバカンスに訪れるアメリカ東海岸、ニューヨークの北西にある小さな島。(佐渡島の3分の1くらい)
この島が発祥のナンタケットバスケットはバスケット部分はラタンを用い、底面とハンドル、蓋(ないものもあります)はマホガニーやローズウッドなどの木材でつくられ、象牙などのカービング装飾やエッチングペイント装飾がほどこされています。もともとは捕鯨を行う島の人たちが伝統的に作ってきたものでした。
避暑にやってきたマダムがハンドバックとして持つようなスタイルにデザインしたアランリード氏の作る作品になりますとエルメスのバックくらいのお値段になります。
フォクシーのNoriko daisylin MaedaさんがFOXEYマガジンでお洋服とコーディネートして紹介し徐々に知られるようになりました。
昨今ではこのバスケットを自分で製作するお教室や、製作の材料も販売されて日本製「ナンタケットバスケット」もたくさん生まれています。シャンパーニュのように厳格な規定がないためにデザインや制作方法が継承されていれば「ナンタケット」と呼称しても問題はないようです。
ハイブランドでは
ハイブランドでは、天然素材を使う場合がこれまで多くありませんでした。理由は耐久性の問題からでしょうか。
それでも数年前にエルメスがケリーバックのスタイルでやなぎを使ってピクニックバッグを作りました。
シャネルもラフィアのドーヴィルトートや過去にはラタンのチェーンショルダーバッグ、ウッドのバニティを作ったこともあります。
プラダは今年もラフィアや竹のひごで編んだかごバックを展開しています。
これまで天然素材を使ったバッグを発売したという記憶がないルイヴィトンも今年は作っています。
販売価格 420,120円 ルイヴィトンのサイトへ
コンサバティブから脱却をしているロエベから今年はラフィアを使ったかごバックが発売されています。
サイズはL/M/Sの3種類。 レザーの部分がナチュラルとブラックの2色展開でお値段はなんともリーズナブルな60,000円前後です。
既に国内完売。次回の入荷を期待したいところです。
今年はどんな 「夏バッグ」 にいたしましょう。。