寂しいことにアパレル業界が不振 という記事を見受けます。
ECサイトの強化を理由に店舗閉鎖、メーカーのブランド縮小など。
お洋服の需要が減ったわけではないので、勝ち組と負け組に分かれているようです。
国内の百貨店でも幸か不幸かこれまでインバウンド需要で売上が好調だった
ため、かつての華であったフロア婦人衣料品の対応が後手にまわった感が否めません。
日本の大手衣料品メーカーと持ちつ持たれつで蜜月は昔の話。
大手セレクトショップやファストファッションメーカーに道を譲る状況になってきています。
おしゃれなお友達もバッグは最新のフェンディ。今年のコートはドルチェ&ガッバーナ
今日のお洋服はグッチのブラウスだけどスカートはZARA。
ブランドで買ってるわけじゃない。気に入ったから買う。
今年着るだけだからと楽しんでいる。
店舗展開のスケールが違いますが、世界のアパレル業界のランキング上位は
ZARAのインデックスを筆頭にファストファッションメーカーです。
世界アパレル専門店売上ランキング2016
1位-Inditex
2位-H&M
3位-Fast Retailing
4位-Gap
5位- L Brands
3位のユニクロは日本が誇れるブランドになっています。
国内のランキングを見てみると
売上順位がすっかり様変わりしてまいました。
かつての上位だった イトキン、三陽商会はベストテンから陥落しています。
サンエーインターナショナルと東京スタイルが合併したTSIはかろうじて9位。
現在のランキングを死守しているワールドやオンワードも
ブランドのラインナップを見ると正直なところ差別化が薄く脆弱感を否めません。
2016年の売上順位
業界動向より
http://gyokai-search.com/4-apparel-uriage.htm
1 ファーストリテイリング 16,817
2 しまむら 5,460
3 ワールド 2,782
4 オンワードHD 2,635
5 青山商事 2,402
6 ワコールHD 2,029
7 アダストリア 2,000
8 AOKIホールディングス 1,885
9 TSIホールディングス 1,672
10 ユナイテッドアローズ 1,409
参考に
2010年のランキング
1 ワールド
2 オンワードHD
3 ワコールHD
4 ファイブフオックス
5 イトキン
6 三陽商会
7 サンエー・インターナショナル
8 クロスプラス
9 グンゼ
10 レナウン
日本のメーカーはライセンスブランドでヒットを狙うことに力を注ぎ
自社ブランドの育成をないがしろにしてきていたのではないでしょうか。
「Made in Japan」 モノづくりの日本は素材や技術では優秀なものを持っているはずなのに
国内での生産は10%以下になっているとも言われています。
安い工賃を求めてアジアへ生産をシフトしてブランド力が備わらない
中途半端なファストファッション化していっているような気配です。
バーバリーをなくしても
三陽商会は
これまで百貨店との二人三脚で黄金期を送っていたわけですが
バーバリーの店舗を失って差し替えるブランドが見当たらない。
バーバリーを日本国内で育てたのはもちろんブランドのバリューもあってですが
日本製の確かな品質だったからこそ。と思っています。
モラビト、デルボー、エルメスのバッグ デザインを変えずに何十年と評価され続けています。
衣料品にはきちんと作られた良いものを評価することは必要がない時代なのでしょうか。
光沢のあるステンカラーコートが「サンヨーコート」として日本中を席巻した時代がありました。
コート作りには素晴らしい自信とノウハウがあるはずです。
【三陽商会】 サンヨーコートができるまで。
100年コート
ほんとうにいいものを作ろう。ということで企画された
『100年コート』
ネーミングもすごいですが
日本製ならではの確かな縫製で至れり尽くせりされたお品物です。
これまでのバーバリーチェックとは違う
歌舞伎の伝統的な「翁格子」を元に作られたという「三陽格子」も新鮮です。
翁格子【おきなごうし】
翁格子とは、太い線の格子の中に、細い線の格子を多くいれた柄。
名称は、太い線(翁)の中に細い線(孫)があることが、翁が多くの孫を持つことをあらわすという説が有力で、子孫繁栄の意味を持つおめでたいとされる柄。太い線に細い線が寄り添うように描かれている事から童子格子とも呼ばれる。
http://www.sanyo-shokai.co.jp/100nencoat/
さらに驚くことに
『100年オーナープラン・ケアプログラム』というものがあって
車の定期点検のようにボタンはもちろん袖口などの擦り切れを補修してくれたり、サイズのお直しなどの
メンテナンスを行ってもらえる。
責任を持ってつくり、使えなくなるまでメンテナンスの責任をもつ
これこそ誇れる日本のものづくりかと思います。