寒くなってきますと ウールなど動物繊維衣類が欠かせなくなってきます。その中でもカシミア(消費者庁家庭用品品質表示法の表記はカシミヤ)の暖かさは格別です。
以前はたいそう高級素材とされていましたがユニクロや無印良品などでの格安なお品物の発売で身近な存在になっています。
カシミアって?
ご存知の通りインド北部 カシミール地方に生息するヤギの毛です。表面の硬い毛ではなく、内側のうぶ毛だけを毛櫛ですいて集めるもので手間がかかり、1頭当たりから採取できる量も羊毛の4キロ~5キロに対してカシミアは150g~250gと極端に少なくセーターを1着つくるのは4頭分のうぶ毛が必要になります。貴重なカシミアは需要の高まりにより現在は中国、モンゴルなどで飼育され最大の生産国になっています。
カシミアは薄くて暖かい それはなぜでしょう?カシミアの繊維は細くそれを束ねて糸に仕上げますので、繊維の密度が高く伝導率の低い空気をたくさん抱き込むことになります。また繊維自体の熱伝導率も空気は0.0241、綿1.5シルク1.2、カシミア0,9と低いのです。ですので外の寒さを遮断して、体温を逃がさないことにあります。
カシミアの良さは肌さわりもあります。羊毛が19~24マイクロンに対して カシミアは14~16マイクロンで繊維の細さが皮膚を刺激しません。また繊維の表面のキューティクルもキメ細やかで突起がほとんど感じられません。カシミア山羊は厳しい寒さの地域で育ちますので、自然と体温を守るために繊維に油分が含まれしなやかさとしっとりした質感を備え光沢も生まれるわけです。
カシミアといって思い出されるブランドはロロピアーナ、アニオナ、ルシアンぺラフィネ、マーロ、バランタインカシミヤ などがありますが
ブランド品でカシミア100%のセーターは10万円を超えるものがあたりまえで、シャネルでは20万円以下ではあり得ません。ユニクロの価格は1万円を切る価格です。厳選された素材を使っていることはもちろん、デザイン性、肌さわりの違いは当然です。