そもそもエナメル素材というのは カーフなど皮革素材にエナメルをコーティングしたもの。
ルイヴィトンのヴェルニもそうですね。フランス語でヴェルニはニスと訳されます。
エナメルという材料がワニスと顔料を混ぜたもので、布地やレザー、ビニールの表面に塗布して光沢や硬さを強め素材の持つ色あいを鮮やかに引き出す効果もあります。
ですので本来はベースの素材が天然皮革なのかファブリックなのか、ポリウレタンなのかにかかわらずエナメルとしていいわけです。
最近はエナメル素材をパテントと呼ぶようになってきていますが、このパテントは本来、特許という意味で、エナメル素材がアメリカで特許を得た素材であることからエナメルをパテントと呼ぶようになったようです。
最近ではビニルコーティングしたものなどもそのように呼ぶ場合もありますのでベースの素材とともに本来のエナメルかどうか確認する必要があります。
このエナメル素材ですが、コーティングされているから雨や汚れに強いと思ったら大間違い。この高温多湿な日本では予想外にデリケートな素材です。いちばんのトラブルは色移りでしょうか。
本の上に置いておいたら印刷が写ってしまった
しばらく使わないでいたら全体に色が変わっていた
保護のために包んでおいた紙や布が張り付いてしまった
表面がひび割れしている
なんどなくベタベタする・・・
全体がくすんでいる
表面にポツポツとカビがはえてる
こんなトラブルがたくさんあります。これらの原因は湿度によるものが多く、使った後はからぶきして汚れを落として適度に乾燥させておくことが必要です。汚れが付いたままや湿度が高いと表面のエナメルが酸化してくすんだり汚れからカビになってしまいます。指紋がついたままその状態でくすんでしまいます。また乾燥させすぎはひび割れの原因になりますのであくまでも適度に。蛍光灯の光りで色やけが起こります。光りのあたりにく場所で保管場所にも気を配らなくてはいけません。また通常のレザーケアのクリームも表面のエナメル素材を酸化させる場合がありますのでエナメル専用のものをお使いください。
使った後は、乾拭きして専用のクリーナーで汚れを落とし適度に乾燥させて保管しておきます。付いたばかりのよごれは ソフトガミ(消しゴムのようなオールラウンド汚れ落とし)でとれる場合もありますがエナメル素材に染み込んだ色移りはほとんど素人のケアではあきらめなくてはいけません。プロの業者さんに依頼してエナメルを剥離して再度コーティングしてもらわなくてはなりません。どんなものでも日ごろの使い方、ケアでお品物の寿命はうんと長くなります。