ゴヤールの先ず驚くところは直営店舗の少なさです。近年やや増えましたが、それでも2014年の公式サイトの情報によると
【アメリカ】ニューヨーク、サンフランシスコ、ビバリーヒルズなどに5ヶ所、ブラジル
【アジア】日本5ヶ所、ソウル、台北、上海、香港
【ヨーロッパ】ロンドン、パリのメゾン含め3ヶ所
数えても19店舗。
ルイヴィトンの日本国内店舗が50店舗を超え関東エリアの店舗数よりも少ないくらいです。
エドメ・ゴヤールが創業したのが1853年ですが歴史を遡るとメゾンマルタンという名前での創業が1792年で跡継ぎがいないために、その後 マルタン → モレル → ゴヤールと名前を変えています。
同じ旅行用木箱梱包職人としたルイヴィトンが1854年ですのでそれよりも半世紀以上前となります。
1892年には、象徴的な杉綾模様を発表します。
1998年ゴヤールのコレクターとしても知られるジャン・ミシェル・シニョールが5代目のイザベルからゴヤールを買収。現在はシニョール家によって運営されています。
顧客にはウィンザー公夫妻が有名でカルティエ、ココシャネル、カールラガーフェールドなどセレブが多数。
日本でも近年ファッション関係者や芸能人などが使いはじめて広まりましたが特に軽量なキャンバス素材のショルダートート
「サンルイ」は爆発的ヒットしています。
杉綾のキャンバス素材だけではなく、無地のレザーのものもありますが手仕事で作られているため店頭で見かけることが大変稀です。いずれの商品も直営店の数からもわかるように大量に生産することはなく手仕事で大切に作られています。
杉綾の定番色は ブラック、レッドの 2色でブラックはトリミングのレザーが同色のブラックとブラウンの2種類です。他にオレンジ、グリーン、グレイ、ブルー、ネイビー、ホワイト、イエロー、ボルドーなど限定カラーでかってピンクも発売されました。
ハードケース限定でゴールド、シルバーもあります。お値段は定番色以外は30%割り増しとなっています。イニシャルや国旗などをペイントしてくれるのでオリジナリティを高めてくれる楽しみでもあります。
ゴヤールとの出会いは20年前パリの蚤の市クリニヤンクールでした。中古のブランド品を扱うお店で 私はルイヴィトンのバックを探していました。
日本では見かけないようなルイヴィトン、エルメスのバックやスカーフ歴史を感じさせるトランクが小さいお店に所狭しと積み上げられています。
ルイヴィトンのトランクと同じくらいの存在感を放っていたのがゴヤールでした。中古のお値段もルイヴィトンと同じくらいかやや高め。
「フランスではルイヴィトンより評価が高いさ。お店を見に行ったらいいよ」店主のご夫婦はとても親切に説明してくれました。
当時は日本ではなじみがなかったので買い付けることはありませんでしたがプライドを放つ気になる存在でした。
市内に帰ってサントノ-レのメゾンに行ってみましたがルイヴィトンのように観光客がいることはなく威圧感たっぷりの店内でした。気軽に使えそうなシティバック類がほとんどなくハードケースオーダーのお店といった感じですから東洋の貧相な小娘は迷い込んでしまった感は当然でした。向かいには 小物を扱う別店舗があり首輪やリードなどペット用品が充実しています。